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 ラントマンの雑貨やアンティーク買い付け時の、フランスレポートなどをお届けいたします。
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蚤の市便り vol.28 2006.3.14
ジャムポットのつかいかた  
 ラントマンショップでは開店当時からフランスのデッドストックリボンを扱っています。このリボンを仕入れるために、月曜だけにたつマルシェに行くと、デッドストック手芸用品専門のスタンド店が出ています。元気のいい中年の女性が二人で仕切っているこのスタンドには、様々なリボンを始めレース、バイヤステープ、フリンジ、ガロン、ヒモ、ボタン、金属製のジッパーやベルトのバックル等、こまごまとしたものがテントの下にずらりと並びます。お客はほとんど女性なのですが たまにジャケットのボタンがとれたと言いながら糸を買って行く男性も見かけたりします。屋外の市で男性も気軽です。「そのジャケットだったら糸はこれ!」とお母さんのような口調で店主の女性がボビンをひとつとり渡し男性はポケットから小銭を払います。街に構える店とちがい、手芸屋さんといえど活気にあふれていて、安価なぶん人も多いので、だまって順番を待っていたりすると物は永久に買えません。いつも関心するのは、ものすごい量のコマゴマ商品のありかを、スタンドの女性がすべて把握していること。プロだから当然なのですが ちいさなボタンの色や柄ひとつひとつが頭に入っていて、「あそこの引き出しの何段目にあるから見てみて!」という風にお客に見に行かせるんです。

ホーローのマーク
 ある日、そのスタンドで若いマドモワゼルが業務用のミシン糸を手に迷っていました。家庭用のボビンの3倍はあるおおきな糸巻きですが 大量に使うひとには割安です。「でも 私のミシンは一般の家庭用で 糸巻きを固定する部分は普通サイズのちいさなものなのよ。この大きな糸巻きをどんな風にミシンにセットしたらいい?」そう言うマドモワゼルに、店主の女性は事もなさげに「ジャムポット!」。。。フランスでジャムといえば日本のお味噌かお醤油と同じくらい常に家庭にある食品。空になったガラスのジャムポットのひとつやふたつ、ころがっていない家はありません。そう、そのガラスのジャムポットのなかにおおきな糸巻きを落とし込み、そこから糸をミシンにセットするんですって。「そーね!」 とマドモワゼルはスカイブルーの大きな糸巻きをひとつ買っていきました。ここで忘れずに書いておかなければならないのは ジャムを大量に消費するフランスではジャムポットも日本のものにくらべてずっと大きなサイズだということです。(Y)
**画像はアンティークのジャムポットいろいろと、あっという間にたまってしまう、我が家カラになったジャムポット。
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