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蚤の市便り vol.9 2004.5.30
「みにくいカモの子」
 1943年に出版されたちいさな子供用の絵本を蚤の市で見つけました。タイトルはプゥサンカナール、直訳するとカモヒヨコ。
白鳥のひなに紛れ込んだかわいそうなアヒルの子の物語「みにくいあひるの子」はみなさんご存知だと思いますがこの本はニワトリのヒナ(ひよこ)に紛れ込んでしまったカモのヒナが主人公。話の展開はとても似ています。

 わらの中に4つのたまご、にわとり夫婦がひなの誕生を待ちわびています。そこへつぎつぎと誕生するふわふわとしたかわいいヒヨコたち。でも一羽だけ黄色くてくちばしが大きすぎる、みにくいヒナが生まれてしまいます。
「こんなはずはない!なんてみにくいヒヨコなんだ!」
ニワトリ夫婦と3羽のヒヨコたちは カモのヒナをのけものに。カモのヒナはひとり草むらにかくれて泣いています。
 ひとりぼっちのカモのヒナはある日、小川に身を浸し「ああなんて気持ちがいいんだ!」そこへ一羽のトンビが襲来。にわとりのお母さんは3羽のヒヨコしか助けようとしません。カモのヒナは身を守るために一人で川を泳ぎます。寒くて怖くてひとりぼっちのカモの子。そしてたどり着いた深い森には恐ろしいきつねが!

 危ないところで運良く農夫があらわれて、きつねを追い払ってくれました。そのあとをついてきたニワトリ夫婦と3羽のヒヨコたち。消えてしまったカモのヒナを実は心配していたのです。
いつまでも私たちの家族でいてよ!
こうしてめでたく仲直り。
 1940年前後にフランスで出版された子供用絵本にはこのようなお話のものが多くみられます。見た目の違いを理由に仲間はずれにするお話や 主人公が黒人で彼が失敗ばかりするというような、人種差別を感じさせるもの等。ちびくろさんぼという絵本もそれを理由に出版されなくなった絵本だと聞いたことがあります。

 印刷されたイラストやストーリーにひとつの時代を感じるので、見つけては買ってしまうのがこの頃の子供向け絵本です。手にとってみてみるといろんな発見があって想像以上に奥が深いものです。(Y)
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