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 ラントマンの雑貨やアンティーク買い付け時の、フランスレポートなどをお届けいたします。
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蚤の市便り vol.01 2003.11.8
 こんにちは。ラントマンのサイトをご覧いただきましてありがとうございます。2003年もあとわずかとなりました。この春ラントマンが誕生してからリクエストの多かったサイトショップをやっと立ち上げることができました。少しずつのラントマン(ゆっくり)的な更新となりますがよろしくお願い申し上げます。

  ここではフランスでのくらしや蚤の市の様子などをすこしずつ御紹介していきたいと思います。

 さて、ラントマンがネットショップで一番最初に御紹介させていただいておりますアンティークのカフェオレボウル、最近はとても人気がありますね。たくさん並べると丸い形がかわいくて素敵なコレクションになってくれます。一口にカフェオレボウルと言ってもよく見てみると形はいろいろなバリエーションがあって楽しいものです。
 ピエと呼ばれる足の形や高さで時代がわかったりしますし、サイズも手のひらに入ってしまうくらい小さなものから、サラダボウルほどのたっぷりと大きなものまであります。柔らかい陶器と密度のある固い磁器の二種類の違いもあります。
 日常使いの素朴さと温かみが魅力で、フランスでも数年前から少しずつ人気が上がって来ていて、最近は見つけるのが難しくなりました。

 もともと家庭で毎朝使うものですから壊れてしまうことが多いので、傷やヒビの無いものと出会うのはとても大変です。数年間蚤の市通いをしているうちに、小さなチップや細いヘアラインが入ったものも見方によっては、個性的でいとおしく思えるようになりました。完璧なものばかりではなく、どこかアンバランスなものに魅力を見いだせることは日本のわびさびの心にも少し通じるような気さえしています。

 フランスでは、日本よりブルー系をコレクションする人が多いように思います。かわいらしさよりもうすこし大人の落ち着いた雰囲気を求める人の割合が多いのかも知れません。それから透明感のある磁器のボウルをこよなく愛する人や、白い無地ものばかり集める人などさまざまです。大きな特徴は「人と違う」テーマでコレクションすることがここでは重要で、雑誌やメディアに載ってしまったものより、自分のお気に入りをあくまでも主張するとてもフランス的なエスプリです。とはいうものの、モノとの出会いは難しいことではなくて、ぱっと見たときのインスピレーションですよね。ラントマンのサイトでお気に入りと出会っていただけたなら、こんなに嬉しいことはありません。どうぞごゆっくりご覧になってください。MERCI BEAUCOUP!(Y)
蚤の市便り vol.02 2004.1.4
 あけましておめでとうございます。
ラントマンより新年の御挨拶を申し上げます。
本日1月4日は2004年最初の営業日で、朝から本当にたくさんのお客様にいらしていただきました。 とても賑やかで幸せなラントマンの第一日とさせていただきましたことにスタッフ一同、心よりお礼申し上げます。

 「ラントマン プチ蚤の市」と称した手のひらサイズのアンティーク市、好評にスタートいたしました。低いテーブルを2台使っての御紹介で、お客様にはかがんだ姿勢でひとつひとつゆっくり品物を見ていただくスタイルになりました。
フランスの蚤の市は品物が地面に広げて置いてあることが多いので、その雰囲気に少しでも近づけたらいいなと考えてみました。
 「蚤の市」という言葉はフランス語でMARCHE AUX PUCES(マルシェ・オ・ピュス)と言いますが、そのMARCHEは市、PUCESは蚤という意味で、蚤の市とはまさしく直訳です。語源はいくつかあるようですが、蚤がわいてあふれるほどの大量の小さなものがぎっしり並べられるところからつけられたとも、蚤がわくほど古〜い(汚い)ものが何でもかんでも怪しげに売られているところからつけられたとも言われています。  実際にフランスの蚤の市に行ってみると、本当に信じられないようなものが売られているのを発見してびっくりすることがあります。以前、歯を一本見つけたときは誰が買うんだろうと真剣に考えました。瓶の蓋だけとか、お人形の首だけなんて朝飯前で、誰かがはいていたような靴下の片方なんてあったりします。

 日本でも知られているような大きな蚤の市では清潔できちんとしたものばかり売られているのですが、まだまだ知られていないローカルな蚤の市では、腰を抜かしそうになるような変なものがたくさんで、それもまた生活感があふれていて楽しくはあります。
  本来蚤の市はアンティークを収集する人たちが趣味として通うために出来たものではなく、普通のお店で新しい日用品を買うお金のない貧しい人たちが、その日に使うお皿やコップを安価で調達するための場所だったのです。つまり、生活に余裕のある人々がごみ箱に捨てるはずのヒビの入ってしまったお皿を、蚤の市に出店するブロカンタ(古物やさん)たちがただ同然で引き取ってきて、それを貧しい人たちに安く売る場所が蚤の市だったのです。

 今人気のフリーマーケットも不要な人から有要な人への物の移動でみんなが幸せになれるとても便利なシステムですね。  私がよく行くローカルな昔ながらの蚤の市は、なかなか物騒な雰囲気です。まず開かれる場所がアラブ街の真ん中で、そこへ行くまでには目つきの鋭いアラブ男がたくさんいるアラブ街を横切らなければなりません。(アラブ諸国の方々へ失礼な表現かもしれません、お許しください。親切で優しいアラブ人の友達もたくさんいます)そういう市に買いに来ているフランス人は少数、中近東やアフリカ、ベトナムなどから出稼ぎに来ている人々がほとんどです。

  女の人は売り手、買い手ともにとても少なくて、私が一人のこともよくあります。最初はよくからかわれました。「毎日なんでこんなところをうろついているんだ、ねーちゃん」というような感じです。貧しい人々にとっては蚤の市で売っている中古品なんてなんの魅力もないがらくただからです。彼らにはデパートで売られているぴかぴかの新品がなにより最高の贅沢品です。
 ノエル(クリスマス)の前になると、家族のクリスマスプレゼントを蚤の市で探す老人が増えます。新しいおもちゃを孫に買ってあげられないからです。ちょっとだけ汚れたお人形やだれかが使っていくつかなくなってしまったパズルセットや積み木を一生懸命値切って買っている姿を見たりすると、新品では物足りず、フランスの古いものを楽しみで買って集められる日本人の豊かさを実感していろいろと考えさせられます。

 世界には本当にいろんな人たちが生きてるんだ、なんていうことも蚤の市は教えてくれます。
政情は混乱していても、美しいものを見てしあわせだと思える気持ちを大切にしたいですね。
笑う門には福来る!ユーモアのセンスも忘れないラントマンで行きたいと新年に思います。
良き一年になりますように。 ※帰国中にて福岡からの更新です(Y)
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